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スーパーや酒屋で日本酒を選ぼうとしたとき、
- 純米酒
- 純米吟醸
- 純米大吟醸
- 本醸造
- 吟醸酒
など、似たような名前がたくさん並んでいて戸惑った経験はありませんか?
私も酒屋に入社したばかりの頃は、「純米大吟醸が一番高級なお酒なんだろうな」くらいの認識しかありませんでした。
実はこれらの名称にはしっかりとしたルールがあり、日本酒の原料や造り方を表す「特定名称」と呼ばれています。
特定名称を理解すると、自分の好みに合った日本酒を選びやすくなります。
今回は、日本酒初心者の方にも分かりやすく特定名称について解説していきます。
国税庁が定める日本酒の分類方法である【特定名称】
まずは一覧表で見てみましょう。

特定名称酒は、おおまかに以下の2つによって分類されています。
- 醸造アルコールを添加しているか
- 精米歩合がどれくらいか
日本酒のラベルに書かれている名称の多くは、この特定名称にあてはまります。
純米系の特定名称
純米酒
純米酒は、
- 米
- 米麹
- 水
のみで造られる日本酒です。
醸造アルコールを添加しないため、お米本来の旨味やコクを感じやすい傾向があります。
現在の純米酒には精米歩合の規定がありません。
そのため、
- 精米歩合80%の純米酒
- 精米歩合70%の純米酒
- 精米歩合65%の純米酒
など、さまざまなタイプが存在します。
私自身も純米酒は好きなお酒のジャンルです。近年はあえて米を削り過ぎず、米の旨味を活かした純米酒を造る蔵元も増えてきました。
純米吟醸酒
純米吟醸酒は、
- 米
- 米麹
- 水
のみで造られ、精米歩合60%以下という条件があります。
一般的には華やかな香りと軽やかな飲み口が特徴です。
近年人気のある地酒の多くが、この純米吟醸クラスに該当します。
日本酒初心者の方が最初の一本を選ぶなら、まずは純米吟醸から試してみるのもおすすめです。
純米大吟醸酒
純米大吟醸酒は、
- 米
- 米麹
- 水
のみで造られ、精米歩合50%以下という条件があります。
お米を半分以上削って造るため、手間もコストもかかる日本酒です。
華やかな香りと繊細な味わいが特徴で、贈答品としても人気があります。
現役酒屋が感じる「純米大吟醸が最強」とは限らない理由
日本酒に詳しくない方ほど、
「純米大吟醸が一番美味しいお酒ですよね?」
と質問されることがあります。
確かに純米大吟醸は高品質な日本酒です。
しかし、実際に店頭でお客様と話していると少し違う意見もよく聞きます。
特に日本酒を飲み慣れている方からは、

純米大吟醸は甘味や香りが前に出るものが多いので、食事と合わせるなら純米吟醸や純米酒の方が好き
という声をよく耳にします。
もちろん好みは人それぞれですが、特定名称には優劣ではなく個性の違いがあると考えた方が分かりやすいでしょう。
アルコール添加系の特定名称
「アルコール添加」と聞くとネガティブな印象を持つ方もいます。しかし、日本酒に使用される醸造アルコールは品質を落とすためではなく、味わいを整えるために使用されます。
実際にアルコールを添加することで、
- 香りを引き立てる
- 後味をスッキリさせる
- キレを良くする
といった効果があり、現在でも多くの実力派蔵元がアルコール添加酒を造っています。
本醸造のアルコール添加について書いた記事です。参考にどうぞ。
本醸造酒
本醸造酒は
- 米
- 米麹
- 水
- 醸造アルコール
で造られ、精米歩合70%以下という条件があります。
軽快な飲み口で食事に合わせやすく、晩酌酒として人気があります。
最近は限定流通品や季節限定酒でも本醸造タイプを見かけることが増えました。
吟醸酒
吟醸酒は
- 米
- 米麹
- 水
- 醸造アルコール
で造られ、精米歩合60%以下という条件があります。
純米吟醸と比較すると、より軽快でスッキリとした印象のお酒が多い傾向があります。
価格と品質のバランスが良く、個人的にも非常におすすめのカテゴリーです。
大吟醸酒
大吟醸酒は
- 米
- 米麹
- 水
- 醸造アルコール
で造られ、精米歩合50%以下という条件があります。
全国新酒鑑評会などに出品される日本酒にも多く見られるカテゴリーです。
華やかな香りとキレの良さを両立させたお酒が多く、高い技術力を感じられます。
特別純米酒・特別本醸造とは
特別純米酒
特別純米酒は、
- 精米歩合60%以下
- 特別な製造方法
のいずれかを満たした純米酒です。
「特別」の内容は蔵元ごとに異なり、使用する酒米や仕込み方法などにこだわりを持たせている場合が多くあります。
特別本醸造酒
特別本醸造酒も同様に、
- 精米歩合60%以下
- 特別な製造方法
のいずれかを満たした本醸造酒です。
本醸造よりもワンランク上の位置付けとして扱われることが多い特定名称です。
日本酒の価格はこの10年で大きく変わった
僕が酒屋に入社した頃は、
- 一升瓶3,000円
- 四合瓶1,500円
を超えると高級酒という印象がありました。しかし近年は状況が大きく変わっています。
実際に店頭では、
- 一升瓶5,000円以上
- 四合瓶1万円以上
の日本酒を購入されるお客様も珍しくありません。
酒質の向上はもちろん、
- 蔵元のストーリー
- 限定流通
- 希少性
- ブランド力
なども評価される時代になっています。
「純米大吟醸だから高い」「本醸造だから安い」という単純なものではなくなってきています。
まとめ

特定名称酒は、
- 醸造アルコールの有無
- 精米歩合
によって分類されています。
初心者の方はまず
- 純米系 → 米の旨味を楽しみやすい
- 吟醸系 → 華やかな香りを楽しみやすい
- 本醸造系 → スッキリして食事に合わせやすい
というイメージを持つだけでも十分です。
実際にさまざまなお酒を飲み比べてみると、自分の好みが少しずつ見えてきます。
日本酒選びに迷ったら、ぜひラベルの「特定名称」に注目してみてください。
でわでわ。


