日本酒の基礎知識 その4 ~麹~

日本酒を買おうとしたときにラベルを眺めていると色んな情報があって、何が何やら分からくなる事って結構ありますよね。今回は「基礎知識その4」として麹について解説していきます。

その1から3についてはこちらからどうぞ

日本酒の基礎知識 ~特定名称~ 日本酒の基礎知識 その2 ~精米歩合~ 日本酒の基礎知識 その3 ~酒造好適米~

そもそも麹とは

最近…と言っても一昔前から「塩こうじ」で一躍有名になった「麹」。名前を聞く事が多くなったと思います。

麹とは米や大豆、麦などに麹菌が繁殖したものを指します。日本酒造りにおいては「米麹」が使用され日本酒が造られます。麹は日本酒造りにおいて、酒質や味わいを決定する重要ポイントとなります。

また、日本酒造りにおける麹については「麹菌」「種麹」麹」という3つの言葉と違いを覚えておくと、頭の中がちぐはぐになる事が少なくなるので覚えておくと良いでしょう。

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ただ、ぶっちゃけると日本酒のラベルに麹の品種が書いてあることは滅多にないので、日本酒を買うときは気にしなくてよいと思います。今回の記事はあくまでも知識として入れておく事で日本酒造りの奥深さや大変さを感じてもらえたらと思って記事にしています。

麹菌とは

麹菌とは、その名の通り「コウジカビ」の事を指します。基本的に自然界に存在しています。

種麹により麹菌を繁殖させて日本酒を造ります。

種麹とは

種麹とは、コウジカビを米等を使い繁殖させて胞子を集めたものです。

よく見るのは緑色のカビた米のようなもの。

もしくは抹茶パウダーのようなものになると思います。

造り方

蒸した米等に麹菌を振りかけて培養します。菌の培養というあまりにも精密な造り方なので、基本的に酒蔵で種麹を造ることはあまりありません。

種麹屋(「もやし屋」とも言う)という種麹の専門店で蔵元も購入している場合が多いです。

麹とは

日本酒造りにおいては、米に種麹を散布させ麹菌が繁殖したもの。上半身裸の蔵人が茶筒のような容器に入れた種麹を蒸した米に振りかけている写真を見たことある人は多いと思います。約2日間かけて米麹を造ります。

造り方

専門用語を使わない簡易的な解説です!

1.蒸米を製麹室で広げ、固まった蒸米をもみほぐす

製麹室の温度は31度程度になっていて、麹菌が繁殖するのにちょうどいい温度と湿度が保たれています。

2.種麹を振りかける

種麹を振りかけた後、米を裏返してもう一度振りかけて蒸米全体に満遍なく種麹がいきわたるようにします。

3.麹菌の増殖具合を均一にする為米をほぐしたりする

種麹をふりかけてしばらくすると、麹菌が繁殖しはじめ熱を出したり米が固まったりします。それをほぐしたり、熱の出ている場所と出ていない場所を交換したりします。

4.完成

以前酒蔵見学したときに米麹を食べる機会があり、食べると想像以上に甘くてびっくりしました。「麹から作った甘酒」が甘い理由がよくわかる味がします。

米麹は日本酒造りのキーポイント

麹は日本酒造りにおいて、酒質や味わいを決定する重要ポイントです。酒造りの序盤でいきなり重要度の高い事をやっているあたり、蔵人たちの責任感の強さに脱帽しますね。

種麹を振りかける量やバランス、振りかける際の道具も各酒蔵によって異なり、麹造りは酒蔵ごとの特色が出てくるとても面白い所です。

最初に書いた所に戻ってしまいますが、日本酒のラベルには「原料:米、米麹、水」ぐらいしか記載されていないですし、日本酒を買うときの一つの指標にもならない麹ですが、政策糧において高い難易度と重要性、奥深さを持っているのです。

世界遺産…!

そしてなんと2024年12月…日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録決定したそうです!

以下NHK関西NEWS WEB 様より引用

ユネスコ=国連教育科学文化機関の政府間委員会は、4日、日本酒や焼酎、泡盛といった日本の「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録することを決めました。

南米のパラグアイで開かれているユネスコの政府間委員会は、4日、日本時間の5日午前4時前、日本が提案した日本酒や焼酎、泡盛といった日本の「伝統的酒造り」について審議しました。
その結果、全会一致で無形文化遺産への登録が決まりました。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20241205/2000089735.html

さらに国税庁動画チャンネル様の「日本の伝統的酒造り」の動画もどうぞ!抹茶パウダー感とかもわかると思います。

…うん、記事で文章見るより動画のほうが分かりやすいかも。。。

でわでわ。

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