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栃木県小山市の西堀酒造の酒蔵見学に行った際、見学の最大の目的だった日本酒「イルミナ(ILLUMINA)」シリーズを試飲・購入してきました。
この記事では、現役酒屋であり実際に酒蔵見学・試飲・購入をした体験をもとに、透明タンクで醸されたイルミナシリーズの製法・味の違い・購入方法までまとめて解説します。
- イルミナってどんな日本酒?何が普通の日本酒と違うの?
- 青光・赤光・緑光で本当に味は変わるの?
- どこで買える?価格はいくら?
- 実際に飲んだ人の評判は?
イルミナ(ILLUMINA)とは?世界初「LED色光照射発酵酒」

ILLUMINA(イルミナ)は、西堀酒造が手がける日本初・世界初の「LED色光照射発酵酒」シリーズです。
「ILLUMINA」はラテン語で「光に照らされたもの」という意味で、商標登録もされています。
透明タンクの中でLED光を当てて発酵させる
通常の日本酒造りでは、光は雑菌や品質劣化の原因になるため極力避けるのが常識とされています。
しかし西堀酒造では、もともと日本初の「透明(クリア)タンク醸造」(特許第6523366号)に取り組んでおり、ホーロー製や木製ではなくアクリル製の透明タンクで醪(もろみ)の発酵の様子を外から観察できる仕組みを開発していました。
実際に酒蔵見学でこのタンクを見てきましたが、ホーロータンクが並ぶ中にアクリルの透明タンクが2本設置されていて、その一角だけ明らかに異質な空気を纏っていました。仕込み中の見学ができれば、中の醪がゆっくり対流している様子まで見えるので、かなり新鮮な光景だと思います。
この透明タンクを応用し、「醪に光を当てたらどうなるか」という発想から生まれたのがイルミナシリーズです。
水耕栽培のレタスがLED光の色によって生育に違いが出る、という知見にヒントを得て、麹菌や酵母も光に反応するのではないかと考え、研究・試験醸造を重ねて商品化されました。製法自体も特許(特許第7079884号)を取得しています。
なぜ色によって味が変わるのか

イルミナシリーズのポイントは、発酵期間(約25日間)、24時間ずっと特定の色のLED光を当て続けるという点です。
光の波長の長さによって、酵母の発酵の進み方が変わると考えられています。
- 短い波長の光(青) → 発酵が抑制される傾向
- 長い波長の光(赤) → 発酵が促進される傾向
発酵が抑制されると糖が残りやすくなるため甘口に、発酵が進むと糖が分解されるため辛口に近づきます。これが「青は甘く、赤は辛い」という違いが生まれる理屈です。
温度管理が中心だった日本酒の発酵管理に、新たに「光」という変数を持ち込んだ醸造法というわけです。
イルミナシリーズ3種類の味の違いを比較
イルミナシリーズは現在、青光(BLUE LIGHT)・赤光(RED LIGHT)・緑光(GREEN LIGHT)の3種類が展開されています。いずれも純米吟醸(火入れ)で、精米歩合55%・アルコール分16%という共通スペックです。
| 商品名 | 照射する光 | 味わいタイプ | 日本酒度 |
|---|---|---|---|
| イルミナ 青光 BLUE LIGHT | 青色LED光 | フルーティーでなめらかな甘口 | -4 |
| イルミナ 赤光 RED LIGHT | 赤色LED光 | ドライで酸味のきいた辛口 | +4 |
| イルミナ 緑光 GREEN LIGHT | 緑色LED光 | 甘味と酸味がバランスした中口 | ±0 |
青光(BLUE LIGHT)|フルーティーな甘口
短い波長の青色光によって発酵が抑制され、糖が残ることでフルーティーで軽やかな甘口に仕上がっています。日本酒度-4は、甘口の純米吟醸としてはわかりやすい甘さの目安です。日本酒初心者やフルーティーな日本酒が好きな方に向いています。
赤光(RED LIGHT)|ドライでキレのある辛口
長い波長の赤色光によって発酵が促進され、糖がしっかり分解されることでドライでキレのある辛口に。日本酒度+4はくっきりとした辛口の数値で、すっきりした飲み口を求める方におすすめです。
緑光(GREEN LIGHT)|バランス型の中口
青と赤の中間にあたる緑色光で発酵させたタイプ。低温発酵で管理されており、甘味と酸味のバランスが取れた、ふくらみのある中口に仕上がっています。3種の中でどちらにも偏らない味わいを求める方に向いています。
実際に試飲・購入してみた感想

酒蔵見学のスペシャル(S)コースでは、試飲タイムでイルミナシリーズも含めた試飲ができました。試飲機にコインを入れてグラスに注ぐ形式で、気になっていたイルミナを実際に飲み比べることができたのは大きな収穫でした。
その場での試飲だけでなく、アンテナショップでイルミナシリーズの飲み比べセットを購入し、自宅でもじっくり飲み比べてみました。
青を最初に飲むと、フルーティで香りもあり、飲み口も甘口で初心者にもオススメのお酒という印象でした。
次に飲んだのは赤。グラスに顔を近づけた段階で香りが控え目になっていることに驚きました。口に含むと青とは全く異なる辛口のお酒でスッと切れます。
緑を飲むと赤と青の中間ぐらいの飲み飽きしない優しい味わいを感じます。
同じ原料・同じ製造工程でありながら、当てる光の色だけで甘辛のバランスがこれだけ変わるのは、現役酒屋としても素直に「面白い」と感じました。製法を頭で理解していても実際に並べて飲むとその違いがはっきり感じられるのが、このシリーズの一番の魅力だと思います。
SNSや口コミサイトでも、「青と赤を飲み比べるとはっきり違いがわかる」「ほのかな甘さと滑らかな飲み口が印象的」といった声が見られ、コンセプトだけでなく実際の味わいでも評価されている日本酒だと言えそうです。
これは僕のあくまで個人的な感想ですが、これからの日本酒業界の革命となる可能性を秘めていると思います。
味わいの決め手を一つ増やせることによって、これまで辛口として醸していた銘柄に青いライトを当てて中口にしたり、赤いライトを当てて辛口を際立たせることができるようになったということです。
なかなか生み出せなかった味わいを生み出す、まだ見ぬ味わいを生み出すことができるかもしれない技術なのだと感じました。
イルミナシリーズの購入方法・価格帯
イルミナシリーズは、以下の方法で購入できます。
- 西堀酒造アンテナショップ(酒蔵見学時にショップで購入可能)
- 西堀酒造オンラインショップ(sake-ec.com)
- 西堀酒造の商品を取り扱う一部の特約酒販店
価格帯は720mlで概ね税込2,000円台後半が中心です(時期や販売店によって変動するため、購入時に最新価格をご確認ください)。
人気が高まると一時的に完売する可能性もあるので、気になる方は早めにチェックしておくのがおすすめです。
まとめ:光で味を変える、日本酒の新しい造り方
イルミナシリーズは、「光は避けるもの」という日本酒造りの常識を逆手に取った、西堀酒造らしい挑戦的な一本です。
- 透明タンク×LED光照射という世界初の製法
- 青光は甘口、赤光は辛口、緑光は中口というわかりやすい違い
- 同じ原料・同じ造りでも光の色だけで味が変わる面白さ
「日本酒はどれも似たような味」と思っている方にこそ、ぜひ飲み比べてほしいシリーズです。
西堀酒造への酒蔵見学では、このイルミナシリーズが生まれた透明タンクを実際に見ることができます。見学の様子は以下の記事で詳しく紹介しているので、合わせてチェックしてみてください。

